茨の道を歩んだ男:三木武夫

 

はじめに

 

三木武夫

 

誰の側近にもならず、

あらゆる手段を使って首相になった人物。

田中角栄を殺した男。

しかし決断すべきところで決断できなかった男。

 

三木の逸話

 

・自分で派閥を作った

三木は戦前から国会議員だった

戦争後は少数政党を合併して自分の味方を増やしていった

 

・占領期にマッカーサーから総理を打診される

しかし手続きが民主的でないことから首相を拒否

アメリカにデモクラシーがあるのなら、

日本には憲政の常道がある。

誰かが命令して数の力を無理やり権力で作って

内閣を組織するなどと言う伝統は、

我が国にはない。」

 

・時の首相(佐藤栄作)に総裁選を挑む

このとき口にした「男は一回、勝負をする」が流行語に

 

・自分の派閥の議員を当選させるために田中角栄と戦う

戦いののちに副総理・環境庁長官を辞する。

田中角栄の金脈と愛人のスキャンダルが出る前という。

絶妙なタイミングで。

 

・田中退陣後に話し合いによって自分を次の総裁に指名させる

あらゆる根回しをして椎名悦三郎副総裁に裁定させる

なお話し合いを決着させた裁定文を書いたのは三木

 

ロッキード事件では検察の田中逮捕を黙認

首相には法務大臣を通じて指揮権を発動し、

検察の動きを止めることができる。

しかし三木はやらなかっため、

結果的に田中が逮捕される。

 

・三木は周囲の反対を押し切って人事を決断できなかった

田中逮捕により田中や他の派閥の妨害が激しくなる。

選挙の指揮をとる幹事長に意中の人物が据えられなかった。

自分が思うように選挙を戦えなくなり、

自民党衆議院総選挙に敗北。

三木は責任を取って退陣。

 

三木の生き方

 

常に茨の道を歩んできた。

その逞しい生き方は参考になるところが多い。

しかし最後の最後で勝負できなかった。

 

最後に

 

ここで取りあげたのはあくまで一面。

他の面もあることも分かった上で。

参考にしてもらえたらうれしいです。

 

参考図書

倉山満『政争家 三木武夫 田中角栄を殺した男』(講談社+α文庫、2016年)