参議院選挙は日本の政治を決める大事な選挙

今月は3年に一度の参議院選挙があります。

投票する上で政治の勉強をするために、今回はこの本を読みました。

倉山満『2時間でわかる政治経済のルール』(講談社+α新書、2018年)

 

 

コロコロ変わる日本の総理大臣

今の安倍内閣は、2012年末から7年近く続いている長期政権です。

しかし少し前までは、日本の総理大臣がコロコロ変わっている印象、皆さんはおありでしょうか。

事実、第2次安倍内閣の前は第一次安倍、福田、麻生、鳩山、菅、野田と1年おきに総理が変わっていました。

その前は小泉純一郎が5年ほど総理をしていましたが、その前の森内閣までは1~2年で総理が変わっています。

また、1946年5月22日から始まった第一次吉田内閣から数えると、33ある内閣のうち26の内閣は3年以内に次の内閣へ変わっています。

なぜ日本の総理大臣、特に平成の総理大臣はコロコロ変わるのでしょうか。

理由は参議院選挙で負けたためと、この本で述べられています。

 

歴史からわかる法則

 

参議院選挙に関連して退陣した内閣は以下の通りです。

 

竹下内閣:支持率低下。1989年参議院選挙前のため予め退陣。

宇野内閣:1989年参議院選挙で敗北。

宮澤内閣:1992年参議院選挙で敗北。

村山内閣:1995年参議院選挙で敗北。

橋本内閣:1998年参議院選挙で敗北。

森内閣:支持率低下。2001年参議院選挙前のため予め退陣。

第一次安倍内閣:2007年参議院選挙で大敗。衆参ねじれ国会に。

福田内閣:衆参ねじれ国会のため。

麻生内閣:衆参ねじれ国会。2009年衆議院選挙で敗北。

鳩山内閣:支持率低下。2010年参議院選挙前のため予め退陣。

菅内閣:2010年参議院選挙で大敗。ねじれ国会に。

野田内閣:衆参ねじれ国会。2012年衆議院選挙で敗北。

 

平成の内閣のうち半分以上の内閣が、参議院選挙に関連して退陣していることが、この本からわかります。

選挙の歴史から、参議院選挙が内閣の退陣につながっている、法則があることがわかります。

 

参議院が重要な理由

 

理由は、参議院選挙で負けると衆議院参議院の多数派が異なる(ねじれ国会)になってしまうからです。

ねじれ国会になると、衆議院で可決した法案が参議院で否決されてしまいます。

衆議院の2/3の議席があれば衆議院が再可決して法案を通すことができますが、2/3の議席を手に入れるのは大変です。

特にねじれ国会では予算関連法案が通りにくくなり、予算が通っても予算関連法案が通らないため、予算が執行できなくなります。

予算が執行できないと政府は何もできなくなります。

結果、内閣総辞職に繋がります。

参議院衆議院と異なり、総理が解散させることができません。

そのため衆議院参議院の選挙の日にちが異なると、ねじれ国会が起きてしまう場合があります。

この本ではねじれ国会対策として、衆議院参議院を同日で選挙することを述べています。

 

日本の総理は参議院選挙で決まる

 

このように参議院選挙の結果によってはねじれ国会となり、最終的に内閣が退陣し総理が変わることも起こり得ます。

この本では参議院選挙以外の要因についても、わかりやすく書かれています。

しかし、参議院選挙が重要であることも書かれています。

選挙で何も決まらないのではなく、私たちの一票が政治を決めることがあるのです。

もしかしたら今月の参議院選挙は、未来の日本の総理を決めるとても重要な選挙になるかもしれません。

 

最後に、この本では選挙だけでなく国際政治や経済などについてもわかりやすく書かれています。

政治や経済に興味をお持ちの方は、この参議院選挙を機会に読んでみてはいかがでしょうか。